1.当社商品について

2.繭の取扱について

3.絹の取扱について

4.糸について

Q1-1:正絹作務衣はどのような製品ですか。総裏付でしょうか?

A1-1:

当社オリジナル「正絹作務衣」は練り絹を先染で染め上げ、綾に織った綾織生地を使用しております。先染めですので色の堅牢度は充分ですし、生糸使いの綾織りですので、目の込んだしっかりした生地になっています。絹本来の保温性・通気性はそのままに非常に軽い仕上がりで、気軽に引っ掛けて着用できます。

作務衣といえばほとんどが綿を使用しております。作務衣は本来、作業着という性格上から酷使に耐えられるよう丈夫で洗いやすいものとして綿素材使用が一般的でした。しかし、絹専門店の当社としては、作業着としてとらえるのではなく、ファッションの一部として御客様の個性を引き出すアイテムとしてカラフルでお洒落なものをと考ました。

ご質問にございました裏地ですが、作務衣自体がシャツ等の上に羽織るものですので、基本的に裏地なしです。生地自体が充分にしっかりした織地であることと、羽織りものとしての用途、生地の軽やかさを重視しましてそのようにしました。もし、お客様から肩裏や総裏を御希望されるのでしたら、出来るだけ御要望に副えるようにしたいと存じます。

△質問一覧へ戻る

Q1-2:出産の内祝としたいのですが、包装・のし等のサービスはありますか?

A1-2:
・包装の件…………

当社商品はよくお祝いなどでのお使い物としてのご希望が多く寄せられますので、御客様の御用途に合わせた形での納品を心掛けています。具体的な御指示があればそれにあわせて包装・熨斗・毛筆書きまで承ります。

・料金の件…………

このサービスに伴う追加料金は一切いただいておりません。これは飽くまで商品お買い上げのサービスの範囲内の事として御奉仕させて頂いております。

・納期の件…………

お届け日指定があればあらかじめお伝えください。商品によっては在庫切れで生産中の場合もありますので、特にお使い物の場合には、ご迷惑をおかけしないためにも納期確認が必要となります。

・納品先指定の件…

お届け先指定(お祝い相手先直送)を御希望される場合にはその旨のご指定、送り先の住所・氏名・電話番号等必要事項の御連絡もお願いします。その場合、送り主氏名を御客様氏名とされる方が宜しいのか、それと備考欄にて「○○様気付」の形で宜しいのかもご指定ください。ご指定なき場合には後者にて対応させていただきます。

「通信販売法に基づく表記」

「個人情報の取扱いについて」

「注意事項」
△質問一覧へ戻る

Q1-3:大判で紫や紺の風呂敷ありませんか?また、名前入れはしていませんか?

A1-3:

御希望に合わせて裁断縫製しますので随意の御寸法を言っていただいて結構です。勿論、名入れも生地の染色指定も可能です。また、生地自体の種類も可能です。

当社HPにアップしている風呂敷は紬地の丈夫な生地を使用しています。柔らかなツィードのような生地と言えばわかりやすいでしょうか。一般的礼装用風呂敷ですと縮緬地をよく見かけます。生地としては紬地が断然に丈夫ですが、縮緬はかさばらず柔らかいので扱いやすく、また縮緬のしぼが物を包む場合に抑えとなって風呂敷に適しているようです。繻子地もありますが(シルクのブラウスのような生地)、これは見た目には一番シルクらしさが出るものの純粋な風呂敷としては物性が弱すぎる面もあります。ただ、生地表面がフラットなので名入れは一番し易いと思います。

丈夫さで言えば「紬>縮緬>繻子」の順番でしょうが、用途・目的で違ってきますので一概に決められないと思います。まずはお好みという事になります。

「正絹紅花染め紬大判風呂敷」

「正絹紅花染め紬小風呂敷」

△質問一覧へ戻る

Q1-4:パジャマ用シルク生地の販売はしますか?

A1-4:

HPへのアップはまだしてませんが、当社製品にもシルクパジャマがあります。生地は絹100%の繻子織で、ホワイト・ピンク・ブルー・グレー・カーキ・ブラックの六色を御用意しております。

勿論、生地でもお分け出来ます。生地規格は112p巾ですので、お客様サイズにもよりますが、着分4mもあれば大抵は十分だと思います。縫製代がかからない分だけお安くなりますし、また、サイズにあわせて無駄のないように3m、3.5mで作ればそれだけ安くお分け出来る事になります。

△質問一覧へ戻る

Q1-5:正絹と絹100パーセントの違いがよくわかりません。

A1-5:

「正絹」も「絹100%」も同じ内容です。どちらかと言えば、和装業界では「正絹」の言葉を多用する傾向があるかもしれません。例えば、正絹着尺・正絹風呂敷・正絹胴裏、という按配です。食品では昨今の健康ブームに対応しかなり厳密です。繊維関連も様々な審査やジス規格など色々な規制・基準があり、成分表示もレーヨンをシルクというような悪質表示製品がまかり通るような事は今の御時世にはありえません。

でも、消費者の側もある程度の注意と知識は必要でしょう。安いものにはワケがある、高いものにもワケがある、という事でしょうか。

しかし、商品によっては色々と誤解を招く表示になる場合もあります。例えば、当社製作の「正絹布団」の表地は「絹100%」としてシルクを使用しています(シルク×ウールの生地を使用している布団もあります)。

しかし、布団には中綿があります。中綿について、普通のめんわたか、羽毛か、それとも別の何かか、という事もお客様にお伝えしなければなりません。当社の正絹布団は中綿も絹のまわたを使用し、外も中も絹100%でご紹介しています。だから、TVショッピング等で「正絹羽毛布団」とよく耳にしますが、表地が「絹100%」で中綿に羽毛を使用しているから「正絹羽毛布団」と紹介しているのだと思います。

どんな商品も同じでしょうが、特に高額なお買い物にはお客様側にもよく確かめてお買い上げいただく事をお勧めします。布団の例でもおわかりでしょうが、同じ「絹(シルク)」という繊維でも、その製作過程・製作方法により形状は様々です。繭そのままの形であったり、まわたの状態であったり、節のある太い糸だったり、細い滑らかな糸であったりします。

絹はあらゆる繊維の中でも最も上品な光沢があると言われ、天然繊維としては最も細く強く、染色も容易で発色に優れていると言われます。ですから、古来より高貴なものとして大事にされてきただけでなく、色々な糸造りに情熱をかけられてきた繊維でもあります。それで色んな表情の絹織物が生まれてきています。

ただ、繊維成分としてあくまで「絹」は「絹」で、「正絹」もしくは「絹100%」という表示になります。時に、特殊な原料を使用しているとして「天蚕糸」「黄繭糸」「まほろば」の表示がある場合があります。これは「絹」や「繭」の中のブランド名と御理解ください。あくまでも繊維成分としては「正絹」であり「絹100%」です。

「変わり繭の紹介・黄繭」

「天然糸と普通の絹糸の違い」
△質問一覧へ戻る
Q1-6:
絹の質をどういう風に判断したらいいのですか?手触りで?それとも色かにおいで?教えていただけますか。
A1-6:

絹の質の判断方法につきましてですが、私どもも業務の中でしておりますが最も確実なのは公立の試験場において分解試験をしてもらう事です。これならば、成分の混率から糸のデニール、撚糸加工にいたるまで確実に判明します。

私どもが良く利用するのは山形県米沢市にある置賜工業試験場ですが、当然、日常においてこんな事をするわけにはまいりません。普段の作業ではまあまあの確実さですが、手触りを診るのが一般的です。

ですがこれは経験的なものが大きいので言葉で表現しにくい所があります。見た目もそうですが、光沢感の感覚も経験的なものが大きくなります。これを補完する意味でよくやるのが匂いです。

といってもそのものの匂いを嗅ぐわけではなく、切れ端から少量の糸をとってマッチやライターで燃やします。その燃える時の匂いや状態で化繊の混紡かがわかります。状態というのは、化繊の場合には黒く丸いダマになって燃えるからです。

日常的には以上のような感じで判断しています。同じ絹でも上質の絹と絹紡糸では、どうしても柔らかさ・光沢の点で劣りますが、その線引きはやはり経験の中での感触になると思います。

△質問一覧へ戻る
Q1-7:
礼装用紋ふくさですが、色は一色のみでしょうか?他の色無地のふくさに、紋を入れるのは可能ですか?
A1-7:

礼装用紋ふくさですが、現在、商品の入れ替えでHPにアップしていませんが、前にアップしていたのは全て黒のふくさばかりでした。ですが、お尋ねのように色のふくさに紋を入れる事も勿論可能です。お値段的には黒に比べれば少々上乗せさせていただく事になると思います。

また、紋につきましてはよっぽどの特殊な紋でない限り型代はいただいておりません。

△質問一覧へ戻る
Q2-1:
保育所の職員をしてますが、子供達が蚕を育てて繭玉を作りました。職員・子供達で相談して、繭を着色してコサージュを作り卒園式用に使用したいと思っていますので、繭染めについて教えていただけませんか?インターネットで調べて試し初めをしてみましたら、表と一番内側の面は綺麗に染まりましたが、途中の層を染める事ができませんでした。繭を何枚もはがしてお花を作りたいと思っているのですが、どのような染料を使い、どのようにしたら綺麗に染まるでしょうか?
A2-1:

染色の仕方はよろしいと思いますが、染料につけておく時間を長くしてみたらどうでしょうか?注意していただきたいのは、長く染料につけておけば染料がしみこんでいくと思うのですが、長い分だけ繭を構成している絹糸にあるセリシン(にかわ質)が溶けてくるので、結果として繭が柔らかくなります。コサージュを作る目的であれば、逆に多少柔らかく造作しやすくなるのはかえって良いかもしれませんね。基本的に、生地染めや糸染めも厚手の物や目の込んだ詰まった物ほど染料につける時間が長くなります。まして繭はかなり硬くなる程に絹の密度が濃いので、手間はかかるだろうと思います。

「染色について」

△質問一覧へ戻る
Q2-2:
繭から生糸を取った後の、サナギはどうするのですか? そのサナギは販売されていないのでしょうか?
A2-2:

製糸工場で処分される繭の量は膨大なものです。生繭100キロあれば、その内およそ50キロ分がサナギとなります。つまり、苦労して作った繭の半分は不要部分として処分されます。サナギはよく魚の餌につかわれる事が知られていますが、結局のところ製糸工場でも廃棄処分にするのが現状だと思います。

当社のある山形県山辺町はニット産地としても知られていますが町内の要害(ようがい)という地区では昔から養鯉業も盛んで、同じ町内ですので、鯉の餌として養鯉業者に売ったこともありますが大抵は肥料用等として養蚕農家の方に利用してもらったりしました。正式に流通している事はあまり聞いていませんが、製糸工場それぞれで、似たような感じで処分していると思います。

尚、当社では代々オカイコサマの取扱をなりわいとして乾燥処理してまいりましたので、現在も盆と彼岸には供養をさせていただいており、法要時には社員全員で参列させて頂いております。

「養蚕について」

「乾繭について」

△質問一覧へ戻る
Q2-3:
養蚕を地場産業として維持・発展させておられる地域は?(日本国内で・・・)特に近畿圏ではあるでしょうか?
A2-3:

当社は糸販売では全国産地にルートを広げていますが、繭はあくまで地元養蚕農家とのおつきあいでしたので全国養蚕産地となると、なんとも…。ただ、古来より絹織物が盛んな地方は当然養蚕も盛んで近畿圏の丹後縮緬は今も日本有数の絹織物産地です。しかし現状は昔ながらの養蚕農家は全国的に見てほぼ消滅したと考えて良いでしょう。

ただ、米と同じで地域毎に品種改良ブランド繭を名産に作る養蚕農家は僅かながら山形県内でもがんばっています。山形では白鷹町でブランド蚕の飼育契約を行って養蚕を続けていますし、他にも庄内地方では松岡製糸さんが頑張っています。

同じ状況は養蚕県で名高い群馬県でも聞いていますし、当社も群馬ブランド繭「黄金の繭」を使い東京西川産業と契約し当社生地生産で、2000年ミレニアム企画として「黄金の繭」使用寝具の売り出しをした事もありました。恐らく関西、特に北陸・丹後も同じくブランド養蚕はしているのではないかと思います。

養蚕関係で当社が関西方面と取引したことはあまりないのですが、三重県の亀山製糸(当時)には御世話になったことがあり、当社が安達乾繭所として生繭乾燥工程を始めるに当たり祖父や父に資金強力・技術援助をしてくれたのが亀山製糸でした。もちろん、その見返りに安達乾繭所の処理済乾繭を亀山製糸へ優先納入する約定もあったろうと思います。

私が子供の頃は亀山製糸から派遣された駐在員がいて、指導員・協力社員の名目に監視役も兼ねていたのでしょうが、それだけ当時は目の色を変え必死になって繭屋は養蚕農家を奪い合い、製糸工場は繭屋の繭を取り合ったようです。

繊維商社的性格もあわせて始まった鐘渕紡績(カネボウ)は別として、長野の片倉工業、丹後の郡是(グンゼ)のように日本有数の製糸工場と織物産地・養蚕地帯は切り離せぬ関係で、亀山製糸は最盛期には日本で五指に入る隆盛を誇り、現状はよく知りませんが、三重県も昔は立派な養蚕県だったでしょう?以上、当社の歴史からひもといてみた勝手な私見でした。

△質問一覧へ戻る
Q2-4:
子供たちと蚕を1000匹ほど育て、繭から糸をとるのですが、蚕が繭になってから糸をとるまでに時間があるため、蛹を殺して、保存したいと思っています。そのためには乾燥させるとありますが、家庭でもできる乾燥方法またはそれに代わる手段を教えてください。もしくはどこかで有料でもやってくれるところとか・・・
A2-4:

乾繭のために昔は全国に乾繭所という施設があって、当社も昭和期には安達乾繭所を運営して県産繭の処理をしていました。また、たいていの製糸工場でも直営の乾繭工場を運営していて自分のところで作る糸のために自前で乾繭処理をしていました。

しかし、昭和末期から養蚕農家が減少し、国産繭も激減、このような養蚕環境の変化に伴い、製糸工場の方では激減した国内繭のためだけの乾繭所を維持する無駄をカットし既に乾燥処理済みの安い輸入繭を海外から輸入しそれで製糸する方向に全体的な生産構造をシフトしてきました。

その結果、国内の乾繭所も激減してしまい、なおかつ悲しいことに、乾繭所どころか製糸工場自体が廃業に追い込まれているのが現状です。しかし、群馬ではまだ頑張って操業している製糸工場もありますのでそちらにあたられれば或いは?と思います。山形でも庄内地方にある松岡製糸がまだ頑張って操業しています。

それ以外の手頃な方法として考えられるのは電子レンジです。現在なら各家庭に普通にありますし、これが一番、手頃で確実です。実は当社でも一度試してみたことがあって、少量の繭からでも手頃に出来る事は間違いありません。

ただし、この方法では致命的な欠点がひとつあります。つまり、それを一度やってしまうと繭の匂いが電子レンジに染み付き、それを掃除するのが一苦労だということです。電子レンジは食事に使うものだけにちょっとお薦めはしにくいところです。

約1000個ほどの繭とお聞きしていますので、製糸工場にわざわざお願いしにくいというのであれば、電子レンジでの乾燥がお手頃でしょうが、その後のことを考えますと…。

「安達繭乾燥場」 △質問一覧へ戻る

A2-5:「本当に悪い繭」はどういうものですか、また、どう処分されるのですか。

A2-5:

繭は養蚕農家から乾繭工場への出荷過程で最初の選繭をします。その後、乾繭工場で乾燥処理後、製糸工場でもう一度選繭をして、潰れたり、汚れがついている悪い繭をより分けます。私達は「上繭」に対して「二番繭・屑繭」と呼び習わしていました。

その汚れは、蚕のオシッコや、繭中で蚕がサナギになりきらずに死んだもの(通称シニコ)の汚れがついたものが主な汚れの原因です。蚕のオシッコがちょっとついた位ならポツンと小さな丸いシミがついた程度で問題のないものも多くあります。ですが、ひどいのになりますと、特にシニコの場合、いつ死んだかにより汚れに大きく違いがでます。

しっかり繭をつくってからなら中の蚕が死んでも繭自体がしっかりと堅いので汚れも内側一部にとどまり問題はありません。ですが、繭をしっかりと作りきらぬ内に死んでしまうと、柔い繭のままなので選繭や輸送段階で他の繭とぶつかりあって簡単に潰れます。すると中で死んだ蚕の死骸も一緒に押し潰されて汚れが繭全体に広がり、隣接する繭まで汚します。オシッコの汚れなら黄色の汚れで余りひどくはないのですが、このシニコの潰れた汚れだと真っ黒なひどい汚れになります。

これでは「二番繭」でも最悪状態になります。一般に「二番繭」と呼ばれる中でもそれくらいに違いがあります。この「二番繭」の用途ですが、大抵の状態の良い「二番繭」は、生糸にはならなくとも、そのまま機械紡績にかけ漂白して絹紡糸として利用できます。

問題なのは「二番繭」と言うよりは本当の「屑繭」としか言いようのないひどい汚れの繭です。昔はそういうどうしようもない繭の事を、山形の私達の産地では「ピンカラ」とも言っていました。それでも最盛期は一件の養蚕農家で数万個から10万、20万個の繭を作っていたのでコンマ以下のパーセントでもかなりの「ピンカラ」が出ますので「勿体無い」時代ではおいそれと無駄にはできません。

この「ピンカラ」は本当の「屑繭」で、工場で取り扱うには量的にも手間的にも採算が取れないでしょうから、工場なら廃棄するところでしょうが、昔はたまったとろで各家庭で処理利用していました。この「ピンカラ」のサナギを取り出し、手作業で出来るだけカスを取り除き、煮繭しながらたたいて引き伸ばします。

普通の煮繭工程の目的は糸に付着しているセリシンを溶解させて繭糸をほぐれやすくするのですが、この「ピンカラ」の場合には叩く事で同時にできるだけ汚れ落としをします。工場ならば専用漂白剤を使うでしょうが個人でやることなのでその程度です。

そうして乾燥し真綿状にしたもの、「てんぐす」を作ります。これを片方の広げた手にかけ、五本の指一杯にからませ、反対の手で引っ張り込むようにして紡いでいって糸を作ります。こうして作った糸は非常に黒ずんでいて太いものにしかなりませんので自家用として使っていたようです。

現代の日本の養蚕業は米と同じで各産地のブランド化が進んでいて細々と続いていますが、絶対量がありませんので、そのようにしてまで綺麗に始末する事はないでしょうが、中国等の主要産地では、ひょっとしたら似たような事をしているかもしれません。

「養蚕について」

「乾繭について」

△質問一覧へ戻る

Q2-6:繭の販売はされていますか?

A2-6:

当社ではまだHP上にアップしておりませんが、繭そのものも取引させていただいております。繭は生のままでは糸引きができません。生引き糸というものもありますが、一般的には乾燥熱処理した乾繭を使って製糸をいたします。お取引先にご提供させていただいているのがこの「乾燥上繭」となります。

この「乾燥上繭」はあくまで時価となります。繭は野菜と同じく自然の生産物ですのでその時々の作柄に価格が影響されますので価格変動がございます。その都度、お問い合わせをいただければありがたく存じます。

ただしそれ程大きな変動(二倍・三倍などの暴騰暴落)はありませんのでご安心ください。なお、取り扱いのご注意点としては、既に乾燥処理済みですので中のサナギが孵化して蛾になって出てくることはありませんので、特別な注意点はありません。

強いて言えば乾燥物ですので湿気にだけご注意ください。とは言いましても室温保存で十分持ちますのでご安心ください。

△質問一覧へ戻る
Q2-7:
スキンケア用品としての販売を考えておりますので、繭をカットし、中の蛹をとりだした状態でご納品いただきたいのですがそちらは可能でしょうか。
A2-7:

勿論、繭カット・蛹取りのような工程もあります。一般に繭から糸をとる場合には繭そのものをお湯に入れてそこからふやかしながら糸を引っ張り取り出して生糸を作るものですが、繭業界では切歩(キリブ)という作業があり、繭の先端をカットして中の蛹を取り出し、繭の中の純粋なシルク部分の分量を測定する作業です。

その作業は確か「10〜15円/個」程度だったように思いますが、それだと1万個で10〜15万にもなってしまいますのでスキンケア商品のように商業ベースで検討した場合には採算が合わないのではないかと思います。乾繭はおおよそで1個=1gですので1万個であれば10kgとなります。

ですので、この作業については申し訳ありませんができかねると考えます。

△質問一覧へ戻る
Q3-1:
絹製品のアイロンのかけ方を教えてください。また、絹とビスコースの混紡の場合もお分かりでしたら教えてください。
A3-1:

絹製品のお手入れは多くの方が大変で面倒なものと思いがちです。確かに下着やシャツのようにクシャクシャ丸めて洗濯機にポイ、というわけにもいきません。しかし、実際にやってみれば意外に簡単で、中性洗剤を溶かしたタライに軽く押し洗いするだけ。通気性にも優れる絹の特性で、しつこくゴシゴシしなくとも、目に見える程度の汚れや汗くらいは簡単におちてしまいます。あとはそれを陰干しするだけ。

当店の女将いわく、「お風呂に入りながらやっちゃうよ。風呂場で洗ったら風呂のフタの上に広げて、ちょっとの間だけ乾かすのよ。体を拭いてパジャマに着替えたら、あとは生乾きでも部屋にもって行ってハンガーに掛けて部屋干しすれば、何てこたァないよ!アイロン?アイロンなんかしてないよ。」てな調子です。

まあ、これは常日頃よく身に付けているシルクのインナーやシャツの類についての事でしょうが、ハンカチやブラウスとなればシワはやはり気になるところです。アイロンは必要でしょう。上述の通り、絹の通気性のよさで乾きも早いだけでなく、絹は化学繊維と違い耐熱性にも優れているので(アイロンの目盛が強・中・弱として)「強」で普通に使っていただいて結構です。ただ、黄変する等、熱変性する性質もあるので当て布一枚を挟んでアイロンを使用してください。当て布は綿等の手拭い等が良いでしょう。気をつけすぎてバスタオル等あんまり厚い生地を使うとアイロンの意味がなくなってしまいます。耐熱性に優れた生地ですので直当てでさえなければ大丈夫でしょう。

次に混紡生地の場合ですが、ビスコースは、正式にはビスコース・レーヨンと申しまして、つまりはレーヨン、俗に人絹とも言いますが、これは人絹という名の通り、化学繊維の一種ですが絹のようなサテン生地によく使われます。しかし、全般的に熱処理して加工製造される化学繊維は、性質上、耐熱性は良くありません。そのため、アイロンをする場合にはツマミをひとつ下げて「中」程度でされる事をお薦めします。勿論、当て布をつけてください。

ここで疑問に思われるでしょうが、化学繊維生地はワイシャツでも何でも当て布もしないで直当てでしているのに、どうして、混紡生地の場合には当て布が要るのか?それは生地の収縮率という性質があるからです。化学繊維同士の生地であれば耐熱性も似ており収縮率も同じなので問題はありません。しかし、耐熱性の高い絹と、耐熱性の低い化繊の組合せは熱の収縮率にも違いがあり、生地の縮みや型崩れの原因にもなりますので当て布が必要となります。どうぞ御注意ください。

よく、火事等での火傷で化繊衣料を身につけた人が重症を負うのもこれによります。逆に、絹といった天然繊維の着物が一般的だった頃は、よほど直接に火に包まれない限り、煙に巻かれる事も少ないものだったそうです。女将の知人に火事に遭われた方がいましたが、絹の衣料を着していた上半身にはまったく火傷を負わなかったのに、下半身(恐らくスカートかキュロットでしょうか)は太腿の部分全体に溶けた化繊が皮膚にまで食い込んで大火傷になってしまったそうです。まァ、カーテンや絨毯を始め化学繊維に包囲された生活環境の中では仕方のない事ですが、絹や繭という昔ながらの物を商なっている私共にとっては、利便性と引換に何か大事なものを一つずつ無くしててしまっているような気がします。

最後に、扱った事のない内は気後れしてしまう絹製品ではありますが、やってしまうと何だこんなものかと意外に簡単です。「いくらなんでも、何でもかんでも風呂場でやっちゃうの?」と聞くと、女将いわく「当り前よ、小紋で作ったブラウスや、ジャケット、スカートだってやれるんだから!」と。…息子絶句。最後の部分はあまり参考にしない方が賢明では、と愚息の所感でした。

△質問一覧へ戻る
Q3-2:
シルクのお手入れについて、市販の高価なシルク専用洗剤等ではなく、もっと手軽に洗濯はできないものでしょうか。着物ならともかくハンカチのような小物までいちいちクリーニングにも出せないのですが?
A3-2:

シルクは沢山ある繊維の種類の中でも唯一といっていい動物性繊維です。勿論100%天然繊維で13種類のアミノ酸も含んでおり人肌にきわめて似ています。吸湿性・透湿性を兼ね備え、夏涼しく冬暖かいというまことに都合のいい特徴を持っています。性質としては基本的にデリケートな繊維であり、綿や化繊のように洗濯機でガチャガチャと手荒に扱うと折角のタンパク質の束が破壊されてしまい、その結果ゴワゴワと硬くなってしまいます。だからといって洗濯できないのかといえばそれも全く違います。

基本的にはデリケートな繊維ですので優しく扱っていただければ問題はありません。30度程度のぬるま湯に一般的な洗剤をよく溶かしこみ、5分から10分間程度の短時間だけ浸けこんで、その後、押し洗い又は振り洗い程度で優しく手洗いしてください。すすぎもぬるま湯にくぐす程度で、脱水もタオルにくるむ程度で充分です。赤ちゃんを産湯に付ける事を想像していただければ近いものがあると思います。

注意点といえば、色の出やすい物の場合には、浸けこみ洗いを短くするとか最初から振り洗いだけにするとかしてください。従来は先染め物の方が後染め物よりも堅牢度が高いとされていますが、最近では技術も向上してそれ程の差はなくなってきたようです。また、直接日光にあてて干すと黄変する事はよく知られています。シルクは水切りが良いので部屋干しや陰干しでも充分だと思います。

△質問一覧へ戻る
Q4-1:
糸の細さを表す単位がありましたが○○中○双とか○○中とかいう単位はそれぞれ何を表しているのでしょうか?
A4-1:

生糸には、14中・21中・27中・31中・42中・60中・110中と太さの分類があります。呼び方としてはデニールと呼ぶ場合もあります。デニールの単位表示は「D」「dr」「d」など。つまり「21中」と「21d」は同じ物です。この基準は、生糸を450m5g前後の重さになります。

ちなみに辞典等では9000mで1gを1dとしていますが同じ意味です。この「9000:1基準」の方が分かりやすいのでよく使われますが糸業界では「450:0.05基準」で使っています。理由は…私も知りません?昔からそうでしたから…。でも、繭の何かとか、茹でる釜とか、機械の規格とか、きっと何かの理由はあったのでしょう。

次に、糸を織物にするには撚糸をしなければなりません。生糸はそれ自体がとても繊細で細く、特定のものを除き、そのまま織る事はできません。そこで必要になるのが撚糸の工程です。簡単に言えばこよりのように撚りをかけて糸を強くするのです。撚糸工程には、おおまかに三種類、「片撚り」「双撚り」「駒撚り」があります。それぞれ目的とする織物の種類・特性により使い分けて使用します。

(1)「片撚り」について:「21中/8片」を例に説明しますと、「21中」の糸8本を並べて、まとめて撚りを加えたものです。「撚り」とは、複数の糸を束ねて回転を掛ける事で、撚りを掛ける方向、つまり右回転する撚りを「S撚り」、左回転させる撚りを「Z撚り」と言います。

(2)「双(諸)撚り」について:「21中/2双」を例に説明しますと、始めに「21中」の糸一本を左回りに撚ります。この最初の撚りを「下撚り」と言います。この下撚りを掛けた状態の「21中」の糸を二本そろえ、今度は二本纏めて、反対の右回りで撚ります。この二度目の撚り掛けを「上撚り」と言います。原理的には昔の縄作りと同じ要領で、下撚りと上撚りは逆方向の撚りを掛けるのが一般的です。ちなみに、当社では昔から「双」と使っていますが、よそでは「諸」の方が一般的で「双」は珍しいようです。産地的な違いがあるのかどうか…?

(3)「駒撚り」について:工程は「双撚り」と基本的に同じです。ただ、撚り方が「強撚」と言い「双撚り」よりも強く撚りを掛けます。例えば、双撚りの場合
下撚り:900〜1000回/m、上撚り:700〜800回/m
これに対して駒撚りの場合
下撚り:1800〜2000回/m、上撚り:1200〜1300回/m

こうして強い撚りを掛ける糸は、主に夏物などシャリ感の必要な生地に多く使われます。撚糸は以上の撚りを基本に、糸の種類との組合せ、撚り回数、上撚り・下撚りの組合せで無限の種類が創作でき、それが産地のオリジナリティに反映されます。

「製糸について」

「デニールとは?」


「生糸とは?」

△質問一覧へ戻る
Q4-2:
結城の手紡ぎ糸は有名ですが、高機の無地などはフライヤ−器機での糸なのでしょうか?また、殆どがそうなのでしょうか。本場結城は、糸はすべて手紡ぎだと聞きましたので。
A4-2:

赤城糸は、繭を鍋で煮てそのまま一定量の繭から糸を引き出して、目的とする繊度の糸を作ります。結城の手引糸は、繭を鍋で煮て柔らかくなったところを広げていき、真綿に掛けていきます(真綿作り工程)。この真綿を乾かし、乾燥したら糸を引き出して完了です。

この糸を引き出す時、右撚りに戻しながら引き出します。これにより糸は無撚となります。引き出た糸は、竹で作った筒状のワッパやザルのようなものに溜めていきます。そして一定量が溜まって終了、これを1ポッチ(ひとぽっち)と称しています。

これに対してフライヤー式手紡糸機械は、この手引き作業は一緒ですが、効率化を図るため、ボビンに糸を巻き取るために使います。本場結城紬(重要無形文化財の結城のみ)以外の結城紬、また、その他の全国各産地の真綿紬は全て、このフライヤー式の巻き取り機械を使用した糸を使用しております。

しかし、中には新潟の十日町式(リング式)の機械のように撚りをかけながら巻き取る機械を使用している手紡糸もあります。現在、このリング式は主に中国産手紡糸に多く使われております。

△質問一覧へ戻る
Q4-3:
生糸の購入は可能でしょうか。可能な場合、例えば、21中8本片の一綛の長さ、最低購入綛数などをお教えください。糸見本などございましたら、お知らせください。
A4-3:

糸につきましてですが一例として「21/8片」の場合、現在のところ「枠周1.11m×2000回」と「枠周1.27m×4000回」の二つの規格で撚糸加工をしています。ご注文は何sでも何綛でもOKです。1綛の長さは「枠周」×「回数」で出ます。価格は繭と同じでこれも生糸相場の影響がありますので価格変動がありますのでその都度ご確認ください。


「撚糸について」

「撚糸工場」
△質問一覧へ戻る
Q4-4:
私は現在草木染めをし着尺を織る勉強しております。糸のみの販売もしていただけるのでしょうか。
A4-4:

当社は糸の販売が主要業務ですので糸の販売についてはまったく問題はありません。現在、草木染着尺の製織を手がけておられるとの事ですが、目的とされる織物の生地風によりまして糸使いが異なりますので、おおまかな所で結構ですのでどのような織物を考えておられるのか教えていただければ幸いです。

例えば大島紬のような地風、結城紬のような地風の違いだとお分かりいただけると思います。なお、必要数量は試織分として少量からでもお受けできますし、経延べ反数なども教えていただければ糸量計算もさせていただきます。


「撚糸について」

「撚糸工場」
△質問一覧へ戻る
Q4-5:
手引真綿糸や、双糸、玉糸や、21中8より太めの糸など、他の種類の糸も取り扱ってらっしゃるのでしょうか。もしあればですが、糸見本と価格がのっているカタログのようなものはあるのでしょうか。また糸は全部未精練でしょうか。
A4-5:

当社では取り立ててカタログは用意しておりません。といいますのも、常平生の織物工場とのお取引の中で常に糸撚糸加工を通して新しい商品開発の検討をしておりますので、糸の種類を言いますと無限に近いものがあります。ただ、その時期の織物工場で生産する定番的商品に使用する定番的な撚糸種というものはあります。

ただ、その時期の流行商品等による定番撚糸種の変動や取引織物工場による規格変更はあります。とりあえず現行の商品の流れでの当社の定番的な糸を以下にリストアップいたしました。尚、下記商品は基本的にすべて未精練です。

糸種 規格
生糸21中原糸
生糸27中原糸
生糸31中原糸
生糸21中8片 1.11m×2000回/1.27m×4000回
生糸21中9片 1.11m×2000回:×3000回
生糸21中10片 1.11m×2000回
生糸21中12片 1.27m×2000回
生糸21中51片 1.27m×1000回
生糸27中8片 1.11m×2000回
生糸21中6甘双 1.27m×2000回
生糸21中8甘双 1.27m×2000回
生糸21中10甘双 1.27m×2000回
生糸21中12甘双 1.27m×2000回
生糸21中2双 1.11m×8000回/1.27m×8000回
生糸21中3双 1.11m×4000回
生糸21中4双 1.11m×2000回:×8000回/1.27m×4000回
生糸21中6双 1.27m×4000回
生糸21中8双 1.27m×4000回
生糸27中2双 1.27m×4000回
生糸27中3双 1.11m×8000回
生糸27中4双 1.27m×4000回
生糸31中2双 1.11m×8000回:×6000回
生糸21中2甘駒 1.11m×8000回/1.27m×8000回
生糸21中3甘駒 1.11m×4000回
生糸21中4甘駒 1.11m×2000回:×8000回/1.27m×4000回
生糸27中2甘駒 1.27m×4000回
生糸27中3甘駒 1.11m×8000回
生糸31中2甘駒 1.11m×8000回:×6000回
生糸21中4本駒 1.27m×4000回
生糸21中6本駒 1.27m×4000回
生糸27中2本駒 1.11m×8000回
玉糸110中原糸
玉糸110中2片 1.27m×3000回
真綿手紡糸160中 1.11m×1000回
真綿手紡糸180中 1.11m×1000回
真綿手紡糸200中 1.11m×1000回
真綿手紡糸220中 1.11m×1000回
真綿手紡糸240中 1.11m×1000回
真綿手紡糸260中 1.11m×1000回
真綿手紡糸280中 1.11m×1000回
真綿手紡糸300中 1.11m×1000回
真綿手紡糸320中 1.11m×1000回
真綿手紡糸340中 1.11m×1000回
真綿手紡糸360中 1.11m×1000回
真綿手紡糸380中 1.11m×1000回
真綿手紡糸400中 1.11m×1000回

「撚糸について」

「撚糸工場」
△質問一覧へ戻る