撚糸工場写真館
撚糸工場のエース機械、撚糸機です。
撚糸開始前の糸です。撚糸機械にかける前に、機械に通り易くなるように、絹糸に油をつけます。
この工程をソーキングと言います。ソーキングで付いた余分な油を取り、また、乾かすために、
このように干しておきます。結構、壮観な眺めです。
撚糸機械の動力部ともいえる巨大モーターです。これで機械全体を動かしています。
上の巨大モーターからの駆動を受けて真ん中にある巨大なローラーが回転します。このローラーにはベルトが巻いてあって、そのベルトが機械全体を大きく取り囲んで、ローラーの回転にあわせて機械全体を走り回っています。
縦置きにされたボビンが並んでいます。その下にベルトが流れています。このベルトの動きに連動して、ボビンが高速回転します。この時、ボビンから糸が上に引き上げられており、ボビンの回転により、糸自体が回転(撚り)をかけられながら引き上げられていきます 。
縦置きに並んだボビンの上には、今度は横置きになっているボビンが並んでいます。下のボビンの回
転で撚りをかけられながら上ってきた糸が、上のボビンに撚られた状態のままで巻きつけられていきます。
撚糸機械のスタートボタンです。「Z」とある黒スイッチと「STOP」の赤スイッチがあります。本当は、「Z」の上に「S」の黒スイッチがあるのですが、この機械はZ撚り専用に使っているので、誤操作を避けるために最初からテープで目張りをしています。右撚りと左撚りでは全然正反対の回転となりますので…現場の細かな気配りです。
撚糸機械側面のカバーを開けるとこんな風になっています。
幾つもの歯車が並んで組み合わさっています。この歯車の組み合わせで回転速度などを調節しています。
ギアチェンジみたいなもんでしょうか。…ハウルの動く城、みたい。
こうして撚糸の糸ができあがりました…? いえいえ、まだ完成ではありません。実はこの糸の状態のままだと、糸が大変に不安定な状態なのです。試しに糸を手でくるくる撚りをかけてみるとわかるでしょうが、撚りをかけた糸の両端を持ってピンと張れば何も問題ありませんが、両端を近づけてみると、糸自体の撚りが作用してクルクルと回ってからまってしまいます。それでは糸を束にして使うには不可能です。
そして、最後の工程です。
昔の伊号潜水艦の水偵格納庫のような…理解できる方だけ理解してください…この巨大な筒型の機械の中に、巻き上がった先ほどの糸をボビンに巻かれたまま、「投入!!」
この筒状の機械は、「セット窯」もしくは「撚り止め窯」と呼ばれている物ですが、この中で一定の温度の蒸気を一定量・一定時間だけかける事により、撚りをかけられた糸がたわみからまるまる事なく安定した状態で一本の糸になるわけです。
昔の伊号潜水艦の水偵格納庫のような…理解できる方だけ理解してください…この巨大な筒型の機械の中に、巻き上がった先ほどの糸をボビンに巻かれたまま、「投入!!」
この筒状の機械は、「セット窯」もしくは「撚り止め窯」と呼ばれている物ですが、この中で一定の温度の蒸気を一定量・一定時間だけかける事により、撚りをかけられた糸がたわみからまるまる事なく安定した状態で一本の糸になるわけです。
糸の種類、量目、撚度など、様々な条件で機械の加蒸量が違います。
なんと昔はこれを蒸籠(せいろ)でやっていたというから驚きです。先ほどの撚糸機械も、昔は川の流れを 利用して水車で動かしていたそうです。
現在は全般的に機械化が進んでいますが、それでも、回転速度や蒸気量の微妙な調整など熟練の職人技です。
ひとくちに「糸」といっても、織物に使うまでには様々な作業工程があって、意外に手間ひまがかかるものです。織物というと、とかく織物工場や染色の技法などに注目が行かれがちですが、織物業界を支える様々な熟練職人が他にも多種多様にいる事もぜひ広く知っていただきたいものです。
なんと昔はこれを蒸籠(せいろ)でやっていたというから驚きです。先ほどの撚糸機械も、昔は川の流れを 利用して水車で動かしていたそうです。
現在は全般的に機械化が進んでいますが、それでも、回転速度や蒸気量の微妙な調整など熟練の職人技です。
ひとくちに「糸」といっても、織物に使うまでには様々な作業工程があって、意外に手間ひまがかかるものです。織物というと、とかく織物工場や染色の技法などに注目が行かれがちですが、織物業界を支える様々な熟練職人が他にも多種多様にいる事もぜひ広く知っていただきたいものです。